中国の輸入に関する規制
中国食品安全法(巻末関連法令参照)の実施に伴い、食肉および食肉加工品の輸入は以下のような規制を受けます。
1.輸入する食肉および食肉加工品は、中国の食品安全国家標準(基準・規格)である国家標準(GB)、国家推奨標準(GB/T)、地方標準(DB)などに合致しなければなりません。これらの食品安全標準は強制的実施標準であり、衛生・計画生育委員会が制定・発表します。食品安全標準には、病原性微生物、農薬残留、動物用薬品残留、重金属、汚染物質およびその他の人体の健康に危害を及ぼす物質の量的制限の規定などの各種規定があります。
2.食品安全国家標準がない食肉および食肉加工品を輸入する場合、輸入前に「食品安全国家標準のない食品輸入の管理許可管理規定」の手続きにより輸入業者が申請を行い、審査評価機構の審査を経て、衛生・計画生育委員会の許可を得た後に輸入が認められます。
3.国家質検総局は輸入肉類の国外生産企業につき登録管理を行っており、検査検疫機構は肉類製品輸入者の報告管理制度を定めています。
4.国家質検総局は輸入肉類に検疫制度を実施しており、肉類を輸入する輸入者は検疫審査手続を申請し、輸入動植物検疫許可証を取得した上で、国家質検総局の指定する港湾区から輸入しなければなりません。
また、家畜伝染病の発生状況および防疫体制により、家畜伝染病流行国家が指定され、原則としてそれらの国々からの輸入は禁止されます。
5.輸入肉類製品に安全上問題があり、人体の健康および生命の安全に損害を与える可能性があるかまたは既に与えた場合は、輸入者は自らリコールを行い、所在地の検査検疫機構に直ちに報告する必要があります。輸入者が自らリコールを行わない場合は、検査検疫機構が食品安全法に基づきリコールを命じます。
6.中国へ輸出する食肉および食肉加工品を生産する企業は、国家認証認可監督管理委員会に登録する必要があり、登録の有効期間は4年となります。
7.中国が輸入する包装した肉加工品は中国語ラベル、中国語説明書が必要です。中国語ラベルには輸入食肉加工品の原産地、中国国内の輸入代理企業の名称・所在地・連絡方法を明記します。
III.国家標準
1.輸入される食肉と食肉加工製品は、中国の国家標準(GB)に合致したでものであることが必要です。
2. なお、食肉と食肉加工製品に適用される国家標準(GB基準)は個別の製品ごとに規定されており、また同じ製品に関しても生産方法、添加剤、試験方法その他の多くの項目に関する基準があります。
3. これらは中国側輸入者との契約交渉の際に、輸出する食肉と食肉加工製品に必要とされる国家標準の提供を受けることが必要です。
4. さらに契約書には必ず必要とされる国家標準を明記し、それに対して日本側が提供すべき資料、あるいは第三者機関の証明書などについて規定しておく必要があります。
5.食肉と食肉加工製品に関する国家標準(GB)の一部を、以下に列記します。ご参考ください。
牛肉・羊肉・うさぎ肉:GB2707-2005生鮮(冷凍)家畜肉衛生標準
肉類製品:GB2726-2005 熟肉製品衛生標準
生鮮・冷凍家きん類肉:GB16869-2005 生鮮・冷凍家きん製品
ハム:GB2730-2005 漬けベーコン製品衛生標準
ソーセージ:GB2730-2005 漬けベーコン製品衛生標準など
6.輸入および通関手続き
肉類製品の輸入前または輸入時に、輸入者またはその代理人は輸入動植物検疫許可証、輸出国家または地区の公的機関が発行した関連証明の原本、契約書、荷物引換証、パッキングリスト、インボイス等をもって輸入港湾の検査検疫機関に検疫報告を行います。
検査検疫機関は輸入者またはその代理人が提出した資料を審査し、要求に適合していれば検疫報告を受理し、検疫審査数量との突合せを行って、輸入貨物の通関証明を発行します。
輸出入検査検疫機構の検査検疫に合格後、輸出入検査検疫機構が発行した通関証明に基づき、関税および増値税が納められると通関されます。
7.関税と輸入増値税
関税
冷凍牛肉類、家きん類肉 HS0202:25%、HS0207:20%(一頭、半頭)/12%(その他)
ハム・ソーセージなど HS1601、HS1602:15%
輸入増値税
冷凍牛肉類、家きん類肉:13%
ハム・ソーセージなど:17%